シリーズでお届けしております、モトベロで働くスタッフは実際にどんなe-bikeに乗っていて、どんなこだわりがあって、どんなカスタムをしているのか…独自の視点でご紹介する『スタッフe-bike紹介』。

今回はモトベロ名古屋星が丘よりスタッフこだわりの『Vektron N8』をご紹介します。

【スタッフe-bike紹介】 Tern『Vektron N8』

Tern Vektron N8とは


電動・非電動にかかわらず折りたたみ自転車メーカーとして高い評価を誇るアメリカのTern。そのTernのハイスペックe-bikeがVektronです。

折りたたみであることを全く感じさせない剛性感と『BOSCH Active Line Plus』の力強いアシストを兼ね備え、小径の折りたたみモデルでありながらアシスト域外の速度も楽々叩き出せるポテンシャルの高さを持っています。

【レビュー】Tern『Vektron S10』徹底解説

N8はその日本限定モデルにあたり、欧米人と比べ小柄な日本人に合わせ2段式シートポストとハンドル可変機構をオミット。

フォークの材質がアルミからスチールに、変速が10段から8段に変わっていますが、走行性能はほぼ遜色ありません。

また、リアキャリアや前後のライトもオプション品となり、その分ハンドル周りを中心にすっきりしたシルエットに仕上がっています。私はこのN8にリアキャリアを装備して使っています。

Vektron N8を選んだ理由

Vektronを選んだ理由は色々あるのですが、要点は下記の4つです。

  • 街乗りからロングライド、レジャーまでカバーしたい
  • ロングライドも想定する以上、走行性能もある程度欲しい
  • 自転車キャンプをしてみたいので積載力に優れたものを
  • 室内保管したいが、(当時の)家が狭かった

上記のような欲張りな理由から白羽の矢が立ったのがVektronでした。

見た目が好きなDE01と迷いましたが、何度も乗り比べた末に走行性能と積載力の優秀さからVektronに決着。

S10ではなくN8を選んだのは、自分の身長的にS10のシートポストとステムの調整機能が必要なかったのと、ハンドル周りを自分好みにアレンジしたかったこと、フォーククラウンにフロントライトのスタイルが好きなこと、そして何よりN8にしかないエンジの車体色とアッシュピンクのバッグの組み合わせに惚れ込んだから。

使用状況

  • 購入:2023年3月
  • 使用年数:約2年
  • 現在までの走行距離:約2500km


乗り始めの頃。あれこれ考えながら少しずつカスタムしていこうと思っていたので、この頃は装備もシンプル。ここから少しずつ段階的にカスタムしていきました。

その当時の記事はこちら↓

【レビュー】折りたたみe-bikeの決定版「Vektron N8」カスタム

カスタムポイント


こだわったポイントは都会的なデザインのVektronをナチュラルな素材感のパーツでまとめること。

帆布ライクな生地感のパニアバッグを中心に、コルクや藤(風)のような素朴な風合い、侘び寂びのある金属の質感。

そんな雰囲気を纏いながらも機能性を備えたパーツを吟味して、アーバンレトロな最高の一台を目指してみました。

色彩の面で言うと、車体色のディープレッドをベースとして同系色のアッシュピンクをアソートカラーに、そこにブラウンと淡いゴールドを差し色で散りばめました。

グリップ


S10と同じERGON『GP1』のバイオコルクモデル。

素材の40%にコルクを使用しているとのことで、実際に握ってみると硬質なラバーとコルクの中間のような不思議な感触。

手へのなじみ方、グリップ力、風合い全てがバッチリなお気に入りモデルです。

サドル


ヴィンテージな雰囲気を漂わせるフォルムと素朴な素材感、落ち着いたカラーが最高なBROOKS『Cambium C17』のリミテッドカラー。

目立つ部分なだけに、このサドルに交換したことで自転車の印象がだいぶ変わりました。

見た目重視で交換したので乗り味はちょっと固めですが、その割に長距離乗ってもあまりお尻が痛まない不思議なサドル。

ペダル


狭い玄関での保管、取り外し式、尚且つ毎日の取り外しがストレスにならないモデルを探して行きついたMKSのEzy Superiorシステム。


このシステムのいいところは、固定はしっかりしている一方で慣れれば片手でできるくらい取り外しが簡単な点です。

採用モデルは多数ありますが、ベルと合わせた淡いゴールドとゴツ過ぎないシンプルなデザインが気に入って『ESPRIT』を選択。

タイヤ


タイヤはつい最近導入したばかりのSCHWALBE『ビリーボンカーズ 20×2.0』。

サドルと同じくほぼドレスアップ目的で、レトロな雰囲気を醸す飴色のサイドウォールが決め手になりました。

初期装備のSCHWALBE『BIG APPLE 20×2.15』より一回り細くなり、ハンドリングが明確に軽くなったのと、走り出しの加速が軽やかになった気がします。

まだ距離を乗っていないので耐久性、耐パンク性は未知数ですが、乗り心地は良好です。

ライト類

Boschモーターはバッテリーからライト類に給電が可能です。せっかくなので、ライトは前後ともこの機能を活かしたものをチョイス。

手元のスイッチでON/OFFできると「the e-bike!」といった感じでテンション上がります。

フロントライト


ドイツbush+mullerの『ルモテック IQ エックスエス E』。先述の通りフロントはフォーククラウンに搭載するものを探しました。

砲弾型ライトを現代風にアレンジしたデザインで、あらゆるテイストを邪魔しないニュートラルな感じがお気に入り。

リアライト


同じくbush+mullerの『トップライト ダート』。リアキャリアにステーがあるので、そこに装備できるものという条件で探しました。

レトロとは対極で他のカスタムパーツと比べると異質ですが、元々都会的な雰囲気を持つVektronとはよくマッチしていて意外と気に入っています。

パニアバッグ類

メイン使いのバッグはバックローラーからコミューターバッグに変遷しました。現在はキャリアの両側にアタッチメントを取り付け、主に左側をメインで使用しています。

パニアバッグ①


車両と同時に買ったORTLIEBの定番パニアバッグ・バックローラーシリーズのアーバンモデル『バックローラー アーバン QL3.1』。

キャンバス地のような自然な生地感と、バイクにマッチするアッシュローズのカラーに惚れました。この色との出会いが車体色の決め手になったと言っても過言ではありません。


このバッグに採用されている取り付けシステム「QL3.1」のいいところは、車体側にアタッチメントを予め装着することでバッグ側の凹凸が極力抑えられていて、バッグを身に着けた際の不快感が少ない点です。

買い物などの際、長時間肩掛けしているとロール部分が解けてきて使い勝手が悪かったため、メイン使いは下記のコミューターバッグに移行しました。

とはいえそれ以外は申し分なく、容量も大きいので現在はパニアを両側使う際のセカンドバッグとして使っています。

パニアバッグ②


現在メインで使っているのが、このメッセンジャーバッグ型の『コミューターバッグ アーバン QL3.1』。色も生地感も上記のバックローラーとお揃いです。

取り付けのシステムもバックローラーと同じQL3.1のため、肩掛けしても金具が当たるような不快感は全くなし。

感覚的には「メッセンジャーバッグ型のパニアバッグ」というより「自転車に搭載できるメッセンジャーバッグ」に近く、自転車でショッピングモールに行ったりや観光したりすることが多い自分にとっては最高の使い勝手です。

ハンドル周り

上記の通り、すっきりしたハンドル周りを使い勝手重視で自分好みにカスタマイズしています。

まだ構想段階ですが、自転車キャンプ時に積載力が足りなければフロントラックやハンドルバーバッグの搭載も検討中。

ベル


お洒落自転車ベルの代名詞、Knog『Oiベル』シリーズの上位モデル『Oi BYCICLE BELL LUXE』。

樹脂製パーツを完全に排したことでインダストリアルな雰囲気がアップ。非常に目立たないですが、ハンドルバーと接する部分の皮素材+ステッチが個人的一押しポイント。

ペダルと併せてブラス(真鍮)色をチョイス……したのが退色してほぼシルバーになっていますが、これはこれで侘び寂びがあって好きです。

ハンドルバーバッグ


本格的に走り回り始めるにあたりハンドル周りの快適性向上のため導入したrin project『マルチボトルホルダーキャンバス』。

全体を邪魔しない黒の地色に、全体のアクセントになるブラウンパイピングのものをチョイス。

乗車時のアクセス性が抜群に良いのもさることながら、最大のポイントは外側にポケットが2つ付いていていること。

モバイルバッテリーを搭載すればライド中もスマホに給電できるので、スマホでルートを確認しながら走りたいときにも重宝します。

スマホホルダー


ハンドルバーバッグと同時期に使い始めたRIXEN KAULの『フォンパッドループ』。スマホをマップ代わりに使いたい際に活躍します。

四隅をシリコンバンドで留めるシンプル構造で、写真を撮りたい場面に遭遇したときに咄嗟に取り外しやすいのが嬉しいポイント。

上記の通り充電しながら使えるので、ハンドルバーバッグと合わせてロングライドが非常に快適になりました。

リアバスケット


Tern純正オプション品の大型リアバスケット『Market Basket』。

乗り始めた当初は「カゴなんて野暮」と思っていましたが、色々な画像を見ているうちに「藤風のカゴってむしろこの自転車にピッタリでは……?」と思い始め購入に至りました。

このバスケットの素晴らしい点は何といっても簡単に脱着ができること。買い物の際にはカゴごと店内に持ち込めて、大量の買い物をしてもカゴごと冷蔵庫の前まで持っていけます。

幅も広いため、パニアバッグでは持ち帰るのが困難なお肉や魚のパックのパックなど幅広の物を買っても安心。見た目も今やお気に入りで、もはや手放せません。

このモデルは販売終了してしまいましたが、後継品としてデザインを新たにした『Market Basket 2.0』が販売中です。

正直このデザインも捨てがたいところ。

サドルバッグ


往復40km以上のライドが増えた辺りで、ふと「出先でパンクしたら怖いな」と思い始めて導入したRESTRAPの『CITY SADDLE BAG SMALL』。チューブ2本とハンディポンプ、工具等が収まっています。

RESTRAPはバッグ一つ一つをハンドメイドで制作しているこだわりのイギリスメーカー。サドルバッグでは珍しい個性的な封筒型のフォルムと帆布のような素材感が気に入っています。

どんな人にお勧めか

Vektronは折りたたみという枠を超えて、走行性能と積載性能を兼ね備えた多用途e-bikeです。

抜群のアシスト性能にクロスバイクタイプのe-bikeと十分張り合える走行性能、純粋なカーゴバイクには若干劣るもののキャンプにも対応できる高い積載力。

そしてそこから来る、街乗り、買い物からロングライド、レジャーまで、使う場面を選ばない高い多用途性。

高性能な折りたたみe-bikeを探している方にお勧めなのはもちろんのこと、折りたたみを抜きにして純粋に高性能なe-bike、特にミニベロタイプをお探しの方に是非お勧めしたい一台です。

店舗情報