パナソニックの代表的な子乗せ自転車であるギュット・クルームシリーズ。

このシリーズは前乗せの『ギュット・クルーム』、後乗せの『ギュット・クルームR』という2車種があり、それぞれに『EX』、『DX』の2つのモデルが存在します。

前乗せと後乗せについては見た目の違いも大きく分かりやすいのですが、『EX』と『DX』の違いについては少々分かりづらく、モトベロ店頭でお客様よりご質問いただくこともしばしば...

そこで今回はモトベロ湘南のスタッフがこの『EX』、『DX』の違いを中心にクルームシリーズの解説レビューをお届けします。

【レビュー】ギュット・クルームシリーズ『EX』vs『DX』

ギュット・クルームとは

ギュット・クルームシリーズは、パナソニックからリリースされている子乗せタイプの電動アシスト自転車です。

ベビー用品メーカー『Combi』と共同開発のチャイルドシートを搭載していることが特徴で、前乗せの『ギュット・クルーム』、後乗せの『ギュット・クルームR』という2車種があり、それぞれに『EX』・『DX』の2つのモデルが存在します。

ギュット・クルーム・EX/DX(前乗せ)


専用設計ハンドルと一体型のチャイルドシートが特徴的な前載せモデル。最大のメリットは前にお子様を載せても走行時の安定感が高いこと。

ハンドル軸の直上に座る格好になるのでお子様の体重でハンドルが振られづらく、膝にも当たりづらいので自然な姿勢で漕ぐことができます。

カゴは後ろの荷台に積み、お子様が成長して後ろチャイルドシートに移行する際に、併せて外した前チャイルドシートのスペースに移設することができます。

その一方、前後にお子様を載せた場合にカゴを積むスペースがなくなってしまうのがデメリット。お子様自身の荷物は自分で抱えてもらい、お買い物の荷物などはリュックで背負う、などの工夫が必要になってきます。

オンラインショップでのご購入はこちら(ギュット・クルーム・EX)

オンラインショップでのご購入はこちら(ギュット・クルーム・DX)

ギュット・クルームR・EX/DX(後乗せ)


一般的な自転車に近い車体の後方にチャイルドシートを搭載した後ろ載せモデル。このモデルのメリットは前カゴを搭載したままでも前にお子様を載せられること。

お子様の送り迎えは荷物が嵩んでしまうことも多く、カゴの有無は決して無視できません。特に前後にお子様を載せた際の利便性に関しては、ギュット・クルームRに一日の長があります。

その反面、前にお子様を載せた際に安定感が失われやすいのがデメリット。

お子様の体重でハンドルを取られやすく、チャイルドシートが膝に当たるため脚を開いた漕ぎ方を余儀なくされます。また、前チャイルドシートとサドルの間が狭いので、乗り降りの際にも注意が必要になります。

オンラインショップでのご購入はこちら(ギュット・クルームR・EX)

オンラインショップでのご購入はこちら(ギュット・クルームR・DX)

『EX』・『DX』の共通スペックと違い


まず、上位モデルが『EX』、スタンダードモデルが『DX』にあたります。

ここでは前乗せタイプの『ギュット・クルーム』を例に『EX』と『DX』の共通点と違いを紹介します。

共通スペック

  • 全長:1795mm(前乗せ)、1880mm(後乗せ)
  • 適応身長:142cm~
    ※3人乗り時適応は154cm~
  • バッテリー:16Ah
  • 走行距離:ロング86km/オートマチック60km/パワー50km
  • 空気入れタイミングお知らせ機能搭載

フレーム本体やバッテリー、モーター性能、タイヤ、チャイルドシートなど、自転車としての根幹になる部分や走行性能、乗り味はどちらも共通です。

大きな違いは電子キーシステム『ラクイック』搭載の有無。それに加えて、細かいパーツの違いと、前乗せモデルの『クルーム・EX』限定ですが、『押し歩きモード』の有無の違いがあります。

『EX』モデルのみに搭載の機能

電子キーシステム『ラクイック』

『EX』モデルにのみ搭載されているパナソニック独自の便利機能。付属の電子キーを持った状態で自転車の電源を入れると、連動して自動でサークル錠が解錠されます。

カギを取り出したり探したりといった手間が省けるので、慌ただしい朝や何かと手が塞がりやすいお買い物がとても快適に。カギを出し入れする回数が激減するので、カギを無くしてしまうリスクも軽減できます。実物のカギ3本も付属し、従来通りカギで解錠することももちろん可能。

押し歩きモード(※クルーム・EX限定)

前乗せモデルである『クルーム・EX』限定で、自転車を漕いでいる最中だけでなく押し歩く際にもモーターのサポートを受けられる、『押し歩きモード』が搭載されています。

この機能が特に活きるのは歩道橋や自転車用の地下道など、上り坂を押し歩きしなければいけないとき。子乗せ自転車は車体だけでも車重30kgを超える上、お子様を前後に乗せれば60kg近くなることもしばしばで、この重量を押しながら登るのは結構な重労働。

普段の生活圏や送り迎えの道中、必ず歩道橋や地下道を通らなければならない方には特におすすめの機能です。

その他の違い

その他細かい部分の違いとしては、後部反射板がソーラー式のリアテールランプになり、『クルーム・EX』(前乗せモデル)の場合にはシートクッションが付属しています。

実際に『押し歩きモード』を使用してみました

クルーム・EXに搭載されている『押し歩きモード』を実際に『踏切/歩道橋/地下道スロープ』の街中の3つの場面で使用し便利さを体感してみました。

踏切

踏切前後の信号と併せて長時間拘束されがちな踏切。降車し安定感のある状態で待ち、横断時間が制限される中、スムーズに移動できるのは大きなメリットです。横断自体に余裕ができることでより安全面も渡りきることができました。

歩道橋

押し歩きモードの力が効果的に発揮される場所、それが歩道橋です。

これまでの子乗せ自転車では、横断歩道は踏切のある場所まで迂回をするか、一度お子様に自転車から降りてもらう必要がありました

こちらも押し歩き機能を使うことでお子様を乗車させたまま移動が可能となります。まさにこのために作られた『押し歩きモード』といっても過言ではありません。

地下道スロープ

多くの人が行き交う駅前の通りの地下道。

写真内の看板の通り自転車に乗車しての走行は不可です。道幅が広く急勾配ではありませんが距離が長く少々大変な場面、決して速度は早くないですが安心してスムーズに移動することが出来ます。

モトベロ全店で試乗が可能

基本の走行性能はクルーム(前乗せ)、クルームR(後乗せ)ともに、『EX』と『DX』で違いはありません。どちらかを選ぶ上では『ラクイック』の利便性にどれほど重きを置くかが決め手になってきます。

お子様の登園準備に忙しい朝にはラクイックの手軽さは何物にも代え難いですし、逆にご自宅がマンションで駐輪場がレール式の場合などは、車体後部のカギの方が手を届かせやすく、ラクイックの恩恵を受けづらい場合もあります。今の生活環境を鑑みてご判断いただくのが良いでしょう。

また前載せと後ろ載せで迷っている方、『EX』と『DX』で迷われている方は実際にご試乗いただいた上で判断していただくのがお勧めです。

モトベロ各店では、今回紹介した『ギュット・クルーム』シリーズを各店舗にて試乗していただくことが出来ます。ぜひ店頭にて実車を体感してみてください。

店舗情報